|
HB検査(B型肝炎ウイルスの抗原・抗体検査)
この検査は、アイソトープを利用したラジオイムノアッセイ(RIA)法を用い、血液
中にあるB型肝炎ウイルスの抗原(HB抗原)と抗体(HB抗体)を測定し、陽性
(+)か陰性(−)かを判定します。HB抗原には、HBs抗原・HBc抗原・HBe
抗原の三種類があり、それぞれに対する抗体も三種類あります。感染状態や
感染の既往、予後の判定などに重要な診断法です。
●疑われる病気
HB抗原はウイルスそのものではありませんが、検出されればB型肝炎ウイル
スに感染していることが診断され、抗体が見つかれば抗原に対する免疫が出
来ていることが判ります。
HBs抗原
HBs抗原はB型肝炎ウイルスの芯(コア)を覆っている殻(サーフィス)の部分
で、これが陽性(+)であればB型肝炎ウイルスに感染していることを意味し
ます。しかし、ウイルスに感染していると言っても、その90%は肝障害がな
く(無症候性キャリア)、残りの10%が肝臓を障害されて慢性肝炎や肝硬
変、肝ガンになっています。HBs抗原を持っている人(キャリア)は、日本人
の2〜3%を占めるとされています。
HBs抗体
HBs抗原に対する抗体で、陽性(+)であれば、過去にB型肝炎ウイルスに
感染したことがあることを意味します。急性肝炎を発病したことのある人もい
ますが、知らないうちに感染してHBs抗体が出来ている人もいます。HBs抗
体が陽性であれば、以後B型肝炎ウイルスに感染する心配はありません。
HBc抗原
HBc抗原は、B型肝炎ウイルスの芯の部分にあたります。外側を殻(HBs抗
原)で覆われているので、通常の検査では測定出来ませんので検査はほと
んど行われません。
HBc抗体(IgM型HBc抗体)
HBc抗原に対する抗体です。検査技術の進歩により、今まで血清中のHBc
抗体は量が少なく、正確に測定出来なかったのが、血清に含まれる様々な
免疫グロブリン中の抗体が測定出来るようになりました。特に免疫グロブリ
ンM(IgM)にあるHBc抗体は特徴ある変動を示すので、診断に利用されて
います。
IgM型HBc抗体は、急性肝炎にかかった時やキャリアの人が肝炎を発病し
た直後にいち早く上昇して高値になり、その後まもなく減少します。
このようにIgM型gHBc抗体が高ければ、肝炎が始まって間もないことが判
り、値が低くなっていれば峠を越していることが突き止められます。
HBe抗原
B型肝炎ウイルスの芯(コア)の部分にあたる、抗原の性質を持ったタンパク
質です。これは血液中にも出てくるので測定出来やすく、B型肝炎ウイルス
の量をそのまま反映するので、HBe抗原が陽性(+)の時には、ウイルスが
盛んに増殖していることを意味します。感染力が非常に強く、HBe抗原陽性
の妊婦さんから生まれてきた赤ちゃんは、ほぼ100%感染してキャリアにな
ると言われています。
HBe抗原陽性の人は、HBs抗原陽性者にしか見られず、近い将来、肝炎を
発病する可能性が高いことも判っており、もし肝炎になった場合、HBe抗原
陽性であれば、炎症が持続していることを示します。
HBe抗体
HBe抗原に対する抗体で、陽性(+)になればHBe抗原は陰性(−)にな
ってB型肝炎ウイルスが少なくなったことを意味します。
HBe抗体陽性の人の中に、HBs抗原陰性(−)の場合と陽性(+)の場合
とがあります。
HBs抗原陰性(−)の場合は、過去にB型肝炎ウイルスに感染したことがあ
ることを示し、再び肝炎を起こす心配はまずありません。HBs抗原陽性(+)
の場合は、HBe抗原に対しては抗原抗体反応が起こって免疫が出来ている
けれども、HBs抗原に対しては抗原抗体反応がまだ起こっておらず、免疫も
出来ていないと言うことです。しかし、HBe抗体陽性になると、たとえHBs抗
原陽性であっても、感染力は非常に弱くなります。この状態の妊婦さんから
生まれてくる赤ちゃんには、感染することはまずないでしょう。
慢性肝炎の場合、HBe抗体が陽性になれば肝炎は一応おさまったことを示し
、さらにHBs抗原が陰性になれば完治したと考えていいでしょう。
|