C型肝炎の特徴

C型肝炎の基礎知識

C型肝炎の特徴

C型及びB型肝炎ウィルスはご存じの通り血液を介する感染が主なものです。
経口感染とか飛沫感染するものではありません。東京ではC型肝炎の患者
さんの6割位が輸血、あるいは血液製剤を受けたという経験を持っています。
最近は献血の際にC型肝炎ウィルスのスクリーニング検査をやっております
ので現在1000人に1人あるかないか位に輸血後のC型肝炎は激減してい
ます。 現在我が国でC型肝炎ウィルスのキャリア(保有者)は200万人ぐら
いと考えられていますが、その殆どの人が何らかの肝障害を持っていると思
われます。
C型肝炎ウィルスにいったん感染しますと、ウィルスはなかなか排除されにく
い性質があり、キャリア化しやすく慢性肝炎になります。これはこのウィルス
に対し、我々の体の免疫応答があまり強く起きないことに原因があります。
したがってC型急性肝炎に罹患するとウィルスは駆除されず治ることは殆ど
ありませんが、一方、命をおとす危険性の高い劇症肝炎にはB型肝炎と異な
りなることはありません。

C型慢性肝炎の臨床経過を見ますと、非常にゆっくりと徐々に悪くなっていく
病気です。肝臓の組織でみますと、軽い変化が10年あるいは20年と続く場
合があります。しかしながら確実に少しずつ悪くなっていく病気でもあります。
慢性肝炎からしだいに肝硬変に進展したり、最近ですと、さらに肝がんになる
患者さんがますます増加してきています。C型慢性肝炎に罹患している患者
さんの数が多いだけでなく、その予後が命を脅かす危険性のある状況が待ち
かまえているところに問題があります。

慢性肝炎をGOT、GPTで見ますと、C型肝炎の初期にGOT、GPTが大きく動
いた時期から数年経ちますと、またGOT、GPTの軽度異常値を示す安定した
時期になります。GOT、GPTが正常になってしまう人もいますし、あるいは軽い
異常値が5年、10年、15年と続く人もいます。中には急に肝炎になったと言っ
ておいでになられ、検査をしますともう既に活動性のC型慢性肝炎になっておら
れる人もいます。そういう人の中には毎年検診を受けておられて、肝機能がまっ
たく正常だったという人もしばしば経験をしています。

このようにC型慢性肝炎の場合は長いおとなしい期間(鎮静期)があるというの
も一つの特徴です。ゆっくり悪くなっていくわけです。しだいにウィルスが増えて
きて肝炎を起こしてきます。そうしますと、しだいに活動期に入ってきて肝硬変
に近づいてくるのが一般的な傾向です。感染して20年後にどういう状態かを見
た報告があります。いったん感染してキャリア化すると20年後に非常におとなし
い慢性肝炎の人は約30%位います。一方20%位の人は20年後には肝硬変
になっており、残りの50%は活動性の慢性肝炎になっています。この活動性の
慢性肝炎でも肝臓の炎症が強い人から弱い人まで様々な病態の人が含まれて
います。さらに肝硬変に進行する危険が高まります。よくGOT、GPTが軽い場合
には放っておいても良いのではないかという質問がありますが、やはり長い目で
見ると確実に進行するので、早めに治療しておくべきではないかと我々は考えて
います。

慢性肝炎が肝硬変の前段階であり、肝硬変への進展を阻止すべきですが、現在
問題になっていることは肝硬変あるいはそれに近い状況から、肝がんができやす
いことにあります。肝がんの方から見ますと9割位がC型肝炎による肝がんという
ような状況になっていて、C型肝炎の治療の目的は、肝硬変へ移行することを阻
止し、肝がんを予防することにあることは明らかです。

C型慢性肝炎は肝臓全体の機能はすばらしく良く保たれています。ですから、慢性
肝炎だけで体調を崩すということは普通はないはずです。例えば、だるい、食欲が
ないと言ったような自覚症状は基本的にはB型肝炎も同じですが、ほとんどないは
ずです。肝臓が沈黙の臓器と言われるゆえんです。多少肝炎があったとしても、自
覚症状がないのは当然です。例えば、たまたまだるくて開業医を受診したところ、
肝機能検査で慢性肝炎と言われるようなことはしばしばあると思いますが、慢性
肝炎ではそういう自覚症状を必ずしも説明できないだろうと思います。十分睡眠を
とってもらうと、そういう症状はとれてしまうことがしばしばありますが、実際の慢性
肝炎はなかなか良くならないことが経験されます。
C型肝炎の特徴として、インターフェロンが良く効くことではないかと思います。現在
では特効薬の評価を受けています。
    






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