遺伝子が変異を起こすウイルス

                   
    

B型肝炎の基礎知識

核の遺伝子(DNA)が変異を起こすウイルス!

セロコンバージョンに至った人のその後の経過を観察すると、肝炎がぶり
返して肝硬変に進んでしまうケースもあることが判っています。たとえば、
HBウイルスを果物のリンゴに置き換えると、HBs抗原が皮、HBe抗原
が果肉にあたり、芯の部分にはタンパク質を合成するための情報が書き
込まれた遺伝子(DNA)があります。HBe抗体は、リンゴの果肉へ刺す
フォークのようなもので、フォークの刺さったリンゴは肝細胞もろとも白血
球やリンパ球などに食べられ排除されます。これがHBe抗原のセロコン

バージョンですが、それでも10%ほどの人が肝炎をぶり返すことがあり、
芯にあるDNAが突然変異を起こしてしまうことが明らかになっています。
DNAが変異を起こすと、果肉となるHBe抗原自体のタンパク質が変わり
ます。皮はHBs抗原のままで、言わばリンゴの皮をかぶった梨が出来て
しまいます。HBe抗体は、リンゴを刺すためのフォークですので、梨には
通用しません。変異を起こす前のリンゴ(HBウイルス)を「野生株」と呼び、
リンゴの皮をかぶり変異してしまった梨(HBウイルス)を「変異株」と呼ん

でいます。セロコンバージョンが行われた後も血液中のHBV−DNA量が
多い人は、ウイルスの変異株がまだ増殖を続けており、慢性肝炎のぶり
返しだけではなく、時にはGOT・GPTの値が1000単位以上まで上昇して
しまい、劇症肝炎を誘発する危険性もあるので要注意です。しかし、ほと
んどの人たちが大事に至らず、少しずつ徐々にHBs抗原価は低下してい
き、陰性化する人も時に見られます。こうして、HBs抗体も陽性になれば、
ウイルスは完全に撃退できたと考えられ、完治したと診断されます。
      






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